整形外科が扱う領域は、首から下の骨・関節・筋・神経疾患のすべてになります。その範囲の広さから扱う疾患も多岐に渡りますが、簡単に言えば体の首から下で、内臓器と皮膚以外のすべてとお考えください。怪我（小さな傷から骨折まで）はもちろんのこと、上記範囲で痛みやしびれを伴う時は、まず整形外科にご相談ください。できれば病院には行きたくないという方はたくさんいらっしゃいますし、そのお気持ちもよく理解できます。しかしながら、もう少し早くに来ていただければ治療期間が短くて済んだのにということもたくさんあります。たいしたことがないと思っていてもお気軽にご相談いただければと思います。尚、上記以外にも脳外科、形成外科、皮膚科、耳鼻咽喉科、口腔外科などの他科の専門処置を必要としない頭や顔のけが、爪の疾患などは対応可能です。当院は地域の医療を担うクリニックですので、まずは診療し、できる限りの治療を行わせていただきます。その上で手術が必要と判断される場合には、疾患に適した手術が可能な近隣病院を紹介させて頂きますし、整形外科以外の診療が必要と判断した場合には他科の専門医師の診察を受けるように適切に指示させていただきますので、遠慮なく相談してください。

関節リウマチという疾患は自己免疫疾患という範疇に入ります。一昔前までは、関節リウマチの多くを関節の手術を担当する整形外科医が診療していました。しかし最近は免疫内科やリウマチ科といった自己免疫疾患専門の診療科が多く設立されていますので、治療体系が分散されるようになってきています。患者さんの立場から見ればどの科を受診すればよいのか分からないことも多くあると思いますが、関節リウマチの多くは四肢・関節の腫脹・こわばりや痛みを初発症状としています。このような症状が出現してきた場合は、遠慮なく整形外科にご相談下さい。関節リウマチには診断基準がありますので、診察および血液検査を実施した上で、診断および適切な初期治療を検討させていただきます。症例によっては治療が困難な場合もありますが、上記の通り適宜、自己免疫疾患専門の診療科に紹介をさせていただきます。近年の関節リウマチの治療は格段に進歩しており、年々治療ツールが増加しています。専門科の先生方とも相談しながら患者さんにあった治療方針を組み立てる努力をしていきますので、いつでもご相談ください。

リハビリテーション治療は、怪我や手術などによる治療を受けることで障害を受けた患部を、再び適切な状態に戻すことを目的として行う治療や訓練のことを言います。当院は地域のクリニックですので本格的なリハビリテーションを実施することは困難ですが、様々な疾患に対する適切なリハビリテーションの指導を行います。また、整形外科疾患とは切っては切れない症状に「痛み」がありますが、当院では診療時のブロック注射や投薬治療に加え、様々な物理療法機器（電気治療、温熱治療、牽引治療機器）による治療を積極的に実施しております。物理療法には疾患そのものを治療する力はありませんが、局所の血流を改善させることや適度な刺激を与えることで、痛みの閾値を高める効果があると言われています。「痛み」は脳で感じる症状であり、長期に渡って痛みを感じることは決して脳にとって良いことではありません。物理療法の効果はこういった慢性の痛みを治療時に緩和させることで、「痛み」の悪循環を断ち切る効果があるため、有効な治療法の一つになりえます。もちろん、患者さんによって治療の効果に差異がありますので、適宜患者さんと相談して適切な治療ができるように努力させていただきます。